9月1日(水)YouTube動画公開:#76 「全国学力・学習状況調査」に異議あり! ※以下、Facebookより転載
- yujiwatanabejimsho
- 2021年9月1日
- 読了時間: 2分
6月議会で「全国学力・学習状況調査」の実施には問題が多いので、来年度以降辞退してはどうかと訴えました。この調査への参加はあくまで任意で、市町村教育委員会の判断です。
ご存じのように、この調査は、小学6年生、中学3年生を対象に2007年度から毎年行われてきました。昨年度は、コロナ禍で実施されませんでしたが、今年度は5月(例年4月ですが、コロナ禍を受けて遅らせました)に実施されています。
私立の学校が半分程度、公立の学校は全国のすべての学校が参加しています。調査結果が公表されます。自治体ごとの順位が発表されており、今、学校現場で無用な点数競争、順位競争が起きています。
教育の本来の目的とは離れ、この調査において、1点でも多く得点するように、少しでも順位を上げるようにと、現場では本来必要のない、準備のためのテストや過去問を実施しています。
この調査に出題されている問題を見てみました。普段の単元別テストや実力テストにはないような長文の問題が多く、あらかじめ「練習」して慣れておかないと、時間内に解けないことになります。だから、過去問を使って、何時間もかけて「練習」します。テストのためのテストをするわけです。
私が現場にいるころは、愛媛県教育委員会が「全国10位以内」を掲げていました。そして、小・中ともにその目標を達成したことで、「学力が向上した・教育力が向上した」と言われたものです。学力とは?教育力とは?そして、学校のあるべき姿とは?もう一度問い直す必要があるでしょう。
悉皆の全国調査であることで、子どもたちは必要以上に重圧を感じます。学力のごく一部にしかすぎない、このペーパーテストの結果で、子どもたちは自己評価してしまいます。もちろん、現場の教員も、調査結果が公表されるたびに一喜一憂します。責任を感じます。理不尽な精神的負担を強いられるのです。
この調査、止めにしませんか!文科省が日本の子どもたちの学力の状況を把握したいのなら、一部の地域をピックアップした抽出調査で十分です。毎年する必要もありません。数年で一度でいいでしょう。
この調査に数十億円/年もかかっていることを知り、余計に腹立たしい気持ちになりました。今、学校現場では、教員一人が抱えている業務が多く、授業の準備の時間や子どもと向き合う時間が十分にないのが実情です。この調査に必要な予算を教員の雇用に回しませんか。子どもの学力を保障するために必要なのは、何より現場の教員を増やすことではありませんか。

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